今こそ、韓国の伝統的なワインを研究・開発し、
世界に向けて発信していくべき時なのです。

アルコール飲料の起源

* 人類が遊牧をやめて定住するようになってから、収穫した穀物を使ってアルコール飲料を作るようになったと考えられています。

* 人類史上初のアルコール飲料は、バビロニア人によって作られました。エジプトでは紀元前数千年前から大麦が栽培されていたため、エジプト王朝の第4世代からビールが作られていたという歴史的記録があります。

* 西洋と東洋のお酒の起源で注目すべき点は、西洋では大麦の麦芽を使ってお酒を作っていたのに対し、東洋では古来より酵母を使っていたということです。これは今日の微生物学や酵素学の研究から見ても興味深い点です。

お酒の種類

* 人類の歴史の中で発展してきたアルコール飲料は、発酵酒・蒸留酒・混和酒に大別されます。

* 発酵酒とは、発酵させたお酒をそのまま、あるいは濾過して飲むものです。生酒(タクジュ)、ビール
、清酒(チョンジュ)、ブドウ酒などがあります。蒸留酒とは、発酵させたアルコールワインを蒸留して作るアルコール飲料のことで、焼酎、ウィスキーなどがあります。発酵酒はアルコール度数が低くて栄養成分が多く、味と香りに優れていますが蒸留酒は栄養成分が少なく、独特の強い臭いがするのが特徴です。

* 混和酒とは、アルコール度数の高いワインに、香料、糖類、ハーブの根や木の皮、果汁や色素などを混ぜ合わせたアルコール飲料のことです。

酒類と健康

アルコール飲料は、その成分がアルコール物質、有機酸、旨味成分、芳香成分などの飲み物で構成されており、唾液や胃液を分泌させる作用があると考えられているため、食欲を増進させる効果があるのです。薬酒の場合は、薬効成分が体内に吸収されるため、特にその効果が高いです。食前にブドウ酒や薬酒を適量飲むことで効果を実感できますが、焼酎やウィスキー、ブランデーなどのアルコール度数の高いものは、胃の粘膜に炎症を起こす可能性があるので避けた方が良いとされています。

* アルコール飲料のほとんどは体内で酸化され、残った分の一部は呼吸によって排出されます。酸化は肝細胞で行われるため、飲み過ぎると肝臓に負担がかかり、脂肪肝になることもあります。適度な飲酒は薬を飲むようなもので、過度の飲酒は毒を飲むようなものだと言われています。

アルコール飲料には、疲労感や不安感、緊張感を和らげたり、ストレスによる精神障害を緩和する効果があります。お酒にはストレスによる身体的反応を和らげる働きがあることは、多くの研究で明らかになっており、その効果を認めている人も多いのです。

* 適度な飲酒は、心筋梗塞などの虚血性心疾患の予防に優れています。ある研究結果によると、適度な飲酒を楽しんでいる人は、まったく飲まない人に比べて、心血管疾患による死亡リスクが低いことがわかっています。また、別の研究では、アルコール飲料が血管内のコレステロールを除去する役割を果たす、高密度リポタンパク質(HDL)のレベルを高めることがわかっています。

世界の人々が飲んでいるアルコール飲料

* 世界各国では、それぞれの国の習慣や文化に合わせて、様々な種類のお酒を楽しんでいます。

*韓国では、伝統的には焼酎(タクジュ)が主に飲まれていましたが、最近では焼酎が最も代表的なアルコール飲料として飲まれています。日本では清酒が主に飲まれていますが、中国では白酒、ロシアではウォッカ、イギリスではウィスキー、フランスでは葡萄酒(ブランデー)、ドイツではビールが主に飲まれています。

* お酒の価値を評価するには、目で見て(色)、鼻で香って(香り)、口で味わって(味)、その内容を楽しむことが大切だと言われています。この4つの要素を満たす優れたアルコール飲料を作るために、世界各国で多くの研究や調査が行われています。
酒を水で薄めるという単純な方法で作られ、他の国の伝統的なワインに比べて上記の要素がほとんどない焼酎が、最近、韓国で最も飲まれているアルコール飲料であることは残念なことです。歴史と伝統のある生酒(未精製)が低迷しているのは嘆かわしいことであります。

* 精製されていない酒が日本の清酒に進化し、世界的に認められていることを考えると、今こそ伝統的な焼酎や卓酒を現代のニーズに合わせて研究・開発し、もっと積極的にアピールしていくべきではないでしょうか。